EXHIBITIONS

T.T Gosho-Minami Exhibition 01

T.T 御所南
2026.10.28 - 11.01
 京都市のT.T 御所南で、和泉侃とトモコ・ソヴァージュの展覧会「T.T Gosho-Minami Exhibition 01」が開催されている。会期は11月1日まで。

 T.T(Taiga Takahashi)は、ファッションデザイナーであり現代美術家でもあった高橋大雅が、2017年にニューヨークで設立したブランド。過去の遺物を蘇らせ、未来の考古物を発掘する「応用考古学」を掲げ、衣服から彫刻、建築、茶の湯へと創作の領域を広げてきた。

 T.T祇園の一室とT.T 御所南の枯山水に配された彫刻《無限塔》は、高橋が過去の彫刻作品を意図的に反復することで、時間という概念と対峙した作品である。本展では、水の循環と変化を手掛かりに、原点という概念を考察する。

 室内の2ヶ所には、和泉侃による匂いの作品《Research on Olfactive Display》を展示。和泉は、匂いや嗅覚を軸に、人間の記憶と体験、身体と空間の関係を再構築するアーティストだ。本展では、「潤い」と「乾き」という対極的なふたつの状態を異なる匂いによって表現する。一室には液体によって構成される潤いを感じさせる匂いを、茶室内には乾いた原料を用いた静けさや枯渇を思わせる匂いを配する。液状のものの流動やゆらぎ、乾いたものの静的な性質を、それぞれ周波数が「存在する」状態=∃Hzと「存在しない」状態=∄Hzとして捉え、匂いによって表現する。

 茶室を抜けた先には、トモコ・ソヴァージュによる《In Curved Water》を展示。ソヴァージュはパリを拠点とするサウンド・アーティストであり、水、陶磁器、ハイドロフォン(水中マイク)を組み合わせた電気音響楽器「ウォーターボウル(Waterbowls)」を起点に、音楽とインスタレーション作品を制作してきた。本作は日本初公開となっている。氷塊を魚網などに用いられるあばら編みのネットで空中に吊るし、融けた水を一滴ずつ磁器の器へと落とす。器に沈めたハイドロフォンが水滴の音を拾い、響きが空間へと広がる。氷の融ける速さは室温によって変化し、水の量に応じて水滴の打音の周波数や調性も移り変わる。環境の偶発性によって変化する音の調性とリズムを通して、同期と非同期が重なり合う即興的な演奏を生み出す。