EXHIBITIONS

ポール・ウォラック「DIVISIBLE — 分けられる」

ポール・ウォラック《Since The Day Before》(2022)木、糸、紙、絵具 96.0 × 53.0 × 31.5 cm

 東京・表参道のファーガス・マカフリー東京で、ポール・ウォラックの個展「DIVISIBLE — 分けられる」が開催されている。会期は11月14日まで。

 ウォラックは1960年生まれ。主にヨーロッパで作品を発表し、30年以上にわたってパリを拠点に創作活動を続けてきた。2025年にはニューヨークで個展を開催している。

 本展は、ウォラックにとってアジアでの初個展となり、近作を展示している。ウォラックの作品は、手作業で制作された小規模な壁面作品から、屋外に恒久的に設置されるパブリック・インスタレーションまで幅広く、一貫して厳格で個人的なロジックを保っている。

 ウォラックにとって「分ける」行為は、決定の手段であると同時に、疑問を投げかける方法でもある。それぞれの作品は、切り口、継ぎ目、隙間から始まり、分割されたものをひとつにまとめ上げることで完結する。下絵などを用いず、素材そのものに導かれながら、加える、差し引く、迷う、やり直すといった決断を重ねていく。その制作過程で生じた痕跡は完成した作品にも残され、制作者の存在の跡として刻まれている。

 今回の展示では、反射とその拒否、拡張、身近な素材の表面を接ぎ合わせ修復することという、3つの形式的な軸を通して作品を公開。空間そのものも素材として扱われ、観者は作品の周囲を動き、回り込みながら鑑賞する構成となっている。