EXHIBITIONS

THE 新版画 版元・渡邊庄三郎の挑戦

 福岡県の北九州市立美術館で「THE 新版画 版元・渡邊庄三郎の挑戦」展が開催されている。会期は11月8日まで。

 渡邊庄三郎(1885〜1962)は、17歳で浮世絵商・小林文七の輸出の出店(横浜店)に勤め、そこで出会った浮世絵に魅了され、明治以降、衰退の一途をたどっていた浮世絵木版画(錦絵)の復興と、新しい木版画制作を志した。その後独立し、明治42(1909)年に東京・京橋に渡邊版画店(現在の渡邊木版美術画舗)を構え、浮世絵の研究や販売を行うかたわら、大正4(1915)年から、来日していた外国人画家の作品の版画化を試みた。鏑木清方の門下生を中心とした新進気鋭の画家たちとともに、高い芸術性を意識した新しい木版画制作に取り組み、絵師、彫師、摺師の協業のもと、「新版画」を世に送り、昭和の初めに国内外で巻き起こる「新版画ムーブメント」の火付け役となった。

 本展では、「新版画」の精神をいまもなお受け継ぐ渡邊木版美術画舗の全面的な協力のもと、残存数が少ない貴重な初摺の渡邊版を展示。渡邊の挑戦の軌跡をたどりながら、モダンな精神に彩られた表現を紹介する。