EXHIBITIONS

飯沼珠実―建築の瞬間

2018.05.19 - 07.16

飯沼珠実 箱根強羅、仙石原 2018 © Tamami Iinuma

飯沼珠実 箱根強羅、仙石原 2018 © Tamami Iinuma

飯沼珠実 箱根強羅、仙石原 2018 © Tamami Iinuma

飯沼珠実 箱根強羅、仙石原 2018 © Tamami Iinuma

 ポーラ美術館のアトリウム ギャラリーで若手芸術家を紹介する「HIRAKU Project」。第4回では、写真を通して都市や建造物を見つめ、その様相をプリントやアーティストブックに表現する飯沼珠実の作品を展示する。

 飯沼は1983年東京都生まれ、2018年東京藝術大学大学院博士後期課程修了。2008〜13年まで2010年度ポーラ美術振興財団在外研修員としてドイツ・ライプツィヒに、14年にはシテ・デザール・パリに滞在した。近年の展覧会に「建築の建築」(六本木ヒルズクラブ、2017)、「歌う建築を聴く(代官山蔦屋書店、2016)、「三つ目の建築―書籍、住居そして森」(POST、2016)、「JAPAN IN DER DDR」(ベルリン、2016)など。

 建築を無機質な物体ではなく、建築家をはじめとして建設に携わった人々や、周囲を往来した人々の記憶が降り積もった、温度のある存在としてとらえる飯沼の写真作品は、建造物の構造的な美しさに加え、「建築」に漂う空気や記憶までをも表している。

 本展では、飯沼が過去に撮影した作品と、強羅や仙石原といった箱根の地を新たに撮り下ろした作品を公開。写真作品に息づく「建築」の空間と時間を感じとりたい。