EXHIBITIONS

酒器の美に酔う

2018.04.24 - 06.17

人物蒔絵三つ組盃 江戸時代(18-19世紀)

写真右は青磁象嵌蓮池水禽文龍頭盃、左は青磁象嵌水禽双魚文龍頭盃 高麗時代(14世紀)

人物蒔絵三つ組盃 江戸時代(18-19世紀)

色絵松竹牡丹文壺形段重 京焼 江戸時代(18-19世紀)

色絵桐鳳凰文徳利 有田焼(柿右衛門様式) 江戸時代(17-18世紀) 重要文化財

曜変天目 建窯 南宋時代(12-13世紀) 国宝

 「天の美禄」「百薬の長」と称えられる酒。婚礼や宴(うたげ)といった祝いや別れの席、また日々の暮らしのなかなど、人生の様々な場面で酒が酌(く)まれ、盃が交わされる。

 東洋では古くから、酒は神に捧げ、神と人とをつなぐための神聖なものとされ、酒を盛る荘重な酒器もまた、祭や儀式の中で重要な役割を果たしてきた。やがて飲酒の普及に伴い、四季折々の風情やもてなしの趣向にあわせた多彩な酒器が誕生する。

 酒を盛る・注ぐ・酌み交わすうつわ、酒を呑む人びとをテーマとする本展では、およそ3000年前の中国古代から幕末・明治時代まで、中国・朝鮮・日本の豊かな酒器の世界と酒をめぐる美術を紹介。現存唯一の盛期鍋島色絵水注や気品に満ちた高麗青磁、酒と笑いにまつわる和漢のエピソードを描いた組盃など多彩な酒器を展示する。なお、国宝「曜変天目」の年内特別公開は本展のみとなるため、この機会に鑑賞したい。