EXHIBITIONS

エミール・ガレ—自然の蒐集

2018.03.17 - 07.16

エミール・ガレ 水差「ギアナの森」 1903頃 個人蔵

エミール・ガレ 花瓶「海馬」 1901-03 北澤美術館蔵

エミール・ガレ 蜻蛉文脚付杯 1904頃 ヤマザキマザック美術館蔵

エミール・ガレ くらげ文大杯 1898-1900 サントリー美術館蔵(菊地コレクション) © TAKESHI FUJIMORI

エミール・ガレ 草花文耳付花器 1895頃 ポーラ美術館蔵

エミール・ガレ 葡萄文栓付瓶 1900 サントリー美術館蔵 © TAKESHI FUJIMORI

 ポーラ美術館が開館以来初となるエミール・ガレの展覧会を開催する。

 フランス語で「新しい芸術」を意味する「アール・ヌーヴォー」が流行したのは、19世紀末のこと。ガレは自然の有機的な形態を着想源とした曲線をふんだんに用いたこの芸術様式において、ガラス工芸の分野で第一人者として活躍した。

 植物学や生物学をはじめとする博物学的な知識と卓越した技術を駆使し傑出した芸術作品を次々と手がけたガレ。自然界に存在する様々なかたちを見つめ、植物や昆虫、動物、海の生物といった数多くのモチーフを意匠化している。

 とりわけ植物の研究に取り組み、植物や昆虫のすみかである「森」を生命の象徴としてとらえ、また海洋学が進展した19世紀後半には「海」の生態についての関心を一層高めており、2つの主題はガレが晩年に傾倒した象徴主義の文学や芸術にも深く関わった。

 本展では、初期から晩年までのガレの優品をたどりながら、芸術家の創造の源泉であった「自然」を「森」と「海」という2つの視点から紹介する。