珠洲焼応援プロジェクト「やさしいくろとたゆたうあお」

　スパイラルガーデンで、WHYNOT.TOKYOによる珠洲焼応援プロジェクト「やさしいくろとたゆたうあお」が開催される。

　珠洲焼は石川県珠洲市で育まれてきた焼き物で、鉄分を多く含む土を熟成し、独自の燻べ焼きによって焼き締められる。灰黒色の艶と自然釉による多様な表情が特徴であり、使い込むほど味わいが増す器として親しまれてきた。しかし近年、度重なる地震により多くの窯が被害を受け、作家の創作環境は大きな影響を受けている。本展は、窯の再建や創作再開を支える取り組みとして実施されている。

　本展では、プロジェクトの作家代表である高屋永遠のほか、写真家・蓮井幹生による能登での撮り下ろし作品、奥能登国際芸術祭の参加作家を含む9名の作品を展示する。被災地の土や家屋の素材をもとにした作品、再建した窯で制作された新作、復興途上の作家が共同で焼成した珠洲焼などが並ぶ。

　タイトル「やさしいくろとたゆたうあお」は、珠洲焼の深い黒と珠洲の海の青を象徴するもの。器や素材の背後にある記憶や関係性に目を向ける展示となっている。本展の収益の一部は珠洲焼作家の継続支援に充てられる。