EXHIBITIONS
中平卓馬
氾濫
1938年生まれの写真家・批評家、中平卓馬は雑誌『現代の眼』編集者を経て、60年代半ばから写真を撮り始め、同時期より雑誌に写真、映画、メディアに関する執筆を開始。68~69年には多木浩二、高梨豊、岡田隆彦、森山大道とともに写真同人誌『プロヴォーク』を刊行した。
77年に篠山紀信との共著『決闘写真論』を刊行直後、病に倒れて生死の境をさまよい、記憶の大半を失うも翌年から撮影を再開。2003年には、初期から同年にいたるおよそ800点の作品群を揃えた「原点復帰-横浜」(横浜美術館)で注目を集める。以降も旺盛に撮影・発表を継続し、没後の2017年には、「Circulation」展(シカゴ美術館)、「中平卓馬」展(台北)が開催されたほか、評論集の翻訳出版も進行している。
《氾濫》は、中平が「15人の写真家」展(東京国立近代美術館、1974)に出品した、48点のカラー写真からなる横6×縦1.6メートルにおよぶ巨大なインスタレーション作品。本作は、壁を這う蔦、路上のマンホール、大型トラックのタイヤ、ガラス越しにみる水槽の鮫、地下鉄構内といった、中平が日々遭遇し捕獲した都市の断片で構成される。
本展では、作品集『氾濫』(Case Publishing)の刊行に合わせ、ギャラリーの壁面にインスタレーションを再現。制作から40年以上を経たいま、中平の写真的思考と実践を改めて読み解く一端となるだろう。
77年に篠山紀信との共著『決闘写真論』を刊行直後、病に倒れて生死の境をさまよい、記憶の大半を失うも翌年から撮影を再開。2003年には、初期から同年にいたるおよそ800点の作品群を揃えた「原点復帰-横浜」(横浜美術館)で注目を集める。以降も旺盛に撮影・発表を継続し、没後の2017年には、「Circulation」展(シカゴ美術館)、「中平卓馬」展(台北)が開催されたほか、評論集の翻訳出版も進行している。
《氾濫》は、中平が「15人の写真家」展(東京国立近代美術館、1974)に出品した、48点のカラー写真からなる横6×縦1.6メートルにおよぶ巨大なインスタレーション作品。本作は、壁を這う蔦、路上のマンホール、大型トラックのタイヤ、ガラス越しにみる水槽の鮫、地下鉄構内といった、中平が日々遭遇し捕獲した都市の断片で構成される。
本展では、作品集『氾濫』(Case Publishing)の刊行に合わせ、ギャラリーの壁面にインスタレーションを再現。制作から40年以上を経たいま、中平の写真的思考と実践を改めて読み解く一端となるだろう。