EXHIBITIONS

ふとした点景 - 岡崎和郎

村松桂(株式会社カロワークス)

 慶應義塾ミュージアム・コモンズ(KeMCo)で「ふとした点景 - 岡崎和郎」が開催されている。

 新しい展覧会シリーズ「ふとした点景」は、展示室で行われる展覧会だけでは見ることのできない、大学のコレクションや美術作品、学術資料に光を当てる企画だ。会場は、屋外の風景に開けた階段踊り場のスペース。「ふとした点景」とは階段の踊り場に展示されたオブジェクトと、それを含みこむKeMCoの吹き抜け空間の景色のことを指している。展示台の上に現れるのは美術作品のこともあれば、学術資料や何かの道具ということもあるだろう。KeMCoという場所で過ごすなかで作品や資料とのふとした出会いを体験できる展覧会となっている。

 本展では、シリーズの第一回として現代美術作家である岡崎和郎の「御物補遺(ぎょぶつほい)」作品を展示。1960年代よりオブジェをめぐる作品を制作してきた岡崎の仕事を、2025年の1年間にKeMCoで開催する展覧会にあわせ、4期に分けて紹介する。