EXHIBITIONS

ボスコ・ソディ

Terra è stata stabilita

2018.03.09 - 04.21

ボスコ・ソディ Cubo 2017

ボスコ・ソディ Cubo 2017

 おが屑や岩を素手で扱い、素材との直接的な対話を重んじてきたメキシコ出身のアーティスト、ボスコ・ソディの個展が開催される。

 ソディは化学工学と絵画を学んだのち、素材のひび割れを特徴とする制作方法を確立。以後ベルリン、ニューヨークにも拠点を広げ、2015年からオハイオ州で採取した原土を焼き上げた彫刻作品を発表してきた。2014年には、安藤忠雄設計によるカサワビ基金をメキシコ・オアハカ州に建設し、アーティストのためのレジデンシーや地元コミュニティとの美術教育を目的とした多目的スペースをオープンしている。

 土から不純物を取り除き、粉砕後にふるいにかけ、馬力と人力を用いた昔からの手作業で精製された粘土は、焼きあがると収縮し、ひび割れや焼きムラなどによって、多彩な表情を生み出す。ソディはこうした素材の変形を創意に満ちた自然のジェスチャーととらえ、素材がもつ物理的な性質やその変化の偶然性を、自らの作品の根底に据えてきた。

 本展では、ソディ自らが精製した粘土からブロック状の直方体に造形され、窯で焼かれた素焼きの彫刻1600個が遺跡のように積み上げられ、2メートルの立方体として出現。アーティストのサインが刻まれた彫刻作品は、会期中、訪問者の参加によって次第に崩れ、その姿を変えていく。