EXHIBITIONS

森山大道「景」

2018.01.16 - 02.04

K © Daido Moriyama

K © Daido Moriyama

K © Daido Moriyama

K © Daido Moriyama

K © Daido Moriyama

K © Daido Moriyama

 日本を代表する写真家、森山大道の新作個展が約4年ぶりに開催される。

 森山は写真家生活のなかで長きにわたって、写真の発明家、ニセフォール・ニエプスが撮影した人類史上初の写真《実験室からの眺め(ル・グラからの視点)》を心の片隅に置き、2008年にはニエプスの実験室を、15年にはアメリカ・テキサス州の大学博物館を訪れ《実験室からの眺め》の写真原版と念願の対面を果たした。

「人間の視線のありのままを、目と心の記憶にとどめるだけでなく、他の方法によってとどめ置くことはできないだろうか? 」というニエプスの問いから写真が生み出され、それから190年が経過した今日。コンパクトカメラを携える森山は、ニエプスを追走/追想しながら都市の片隅、人影、さまざまな「景」にむかって膨大な数のシャッターを切り続けている。

 本展では、写真集『K』に収録された最新作を展示。エッセイ『原点と現点――ニエプスへの旅/今日の三匹』を糸口に展示構成を行い、森山の写真に幾層にも潜在する「景」をたどる。

 「犬は盛り場へ行けというし、猫は路地裏へ入れというし、虫は風俗街はどうよという。俗世俗界を俗のままにコピーしつづけること、東京中をうろつく日々こそ、ぼくが生き写真を撮る意味の全てなのだと感じる他ない」(写真集『K』より、森山大道「今日の三匹」抜粋)