EXHIBITIONS

コレクション展 増殖とループ

2024.06.01 - 09.23

ジュゼッペ・ペノーネ《まぶた》1989-91 年、石膏、木炭、布、サイズ可変

 豊田市美術館で、コレクション展「増殖とループ」が開催されている。

 日常において、反復する行為や状態が続くことは否定的に捉えられることがある。しかし視点を変えれば、単調な繰り返しにみえる営みも少しずつ異なることや、また線が点の集合であり、平面も無数の線や面の集合体であることなどに気づく。
 本展では、まぶたの皮膚をうつしたジュゼッペ・ペノーネの《まぶた》や、無限に近いほどの原子が集まった巨大分子を模したトニー・クラッグの《分泌》ほか、雄大な循環を視覚化した野村仁《アナレンマ:惑星》、徳冨満やルーチョ・フォンターナなど三次元空間の広がりをもつ作品など、増殖し拡大する、または繰り返される構造をイメージさせる作品を展示。一見無味な事象が重なり合い、多様な表現を生み出す妙味が楽しめる展示となる。