EXHIBITIONS

ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション 開館25周年記念1 夏の企画展

浜口陽三と波多野華涯 ―匂い立つ黒と黒―

浜口陽三 ういきょう 1958

波多野華涯 蘭竹図 六曲一双 左隻 大正13(1924) 168.0 × 374.4 cm 紙本銀地墨画 みやじまの宿 岩惣 所蔵

波多野華涯 蘭竹図 六曲一双 右隻 大正13(1924) 168.0 × 374.4 cm 紙本銀地墨画 みやじまの宿 岩惣 所蔵

 ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクションの開館25周年を記念して、夏の企画展「浜口陽三と波多野華涯 ―匂い立つ黒と黒―」が開催される。

 浜口陽三(1909〜2000)の銅版画は、光を含んだ闇のグラデーションが印象的だ。本展ではその銅版画とともに、陽三の父と交流のあった南画家・波多野華涯(1863〜1944)の「蘭竹図銀屏風」を展示。清流と切り立つ岩に竹と春蘭をあしらった銀屏風は、黒の濃淡によって、立ちのぼる霧や蘭の芳香まで表現され、臨場感をもって迫ってくる。

 浜口作品における墨絵の影響は、これまで幾度となく評論家に指摘されてきた。本展では画風を超えたさらなるつながりを求めて、永遠の時空で響きあう二人の画家の作品、とりわけ黒の階調を紹介する。

 なお、波田野華涯の代表作《蘭竹図屏風》は美術館での展示は初、東京でも初公開となる。