クインテットⅣ

　「クインテット」（五重奏）と題し、継続的な作品発表実績があり、将来有望な中堅作家を紹介するシリーズ企画の第4弾では、青木恵美子、竹中美幸、田中みぎわ、船井美佐、室井公美子を紹介する。

　5名の作家たちは、「芸術とはひとつの抽象なのだ」と言明し、絵画に思想・哲学的要素を取り入れたポール・ゴーギャンの革新性を無意識に踏襲。理知的な線と感覚的な色彩とを組み合せ、世界を写すことと自己を表出する振幅のなかで制作に取り組んでいる。

　「具象と抽象の狭間」がテーマとなる本展では、各作家の近作、新作約80点を展示。絵画の前に佇むことで、鑑賞者の心に奏でられる五重奏は、爽やかな「残響」として留まることだろう。