EXHIBITIONS

特別展

雪舟伝説―「画聖」の誕生―

竹梅双鶴図 伊藤若冲筆 東京・出光美術館蔵 江戸時代(18世紀) 4月30日~5月26日展示

 京都国立博物館 平成知新館で、特別展「雪舟伝説―「画聖」の誕生―」が開催される。

 日本美術史上もっとも重要な画家のひとりである雪舟(1420~1506?)。6件もの作品が国宝に指定されていることが象徴的に示しているように、雪舟に対する現在の評価は突出したものがある。しかし、それは単純に作品が優れているという理由だけによるのではない。雪舟とその作品に対し、歴史的に積み重ねられてきた評価の上に、今日の高い評価がある。

 本展では、おもに近世における雪舟受容の様相をたどることで、「画聖」と仰がれる雪舟への評価がいかにして形成されてきたのかを検証。桃山時代に雪舟の後継者を自称した雲谷派と長谷川派、雪舟画風を流派様式の礎とした江戸時代の狩野派はもとより、これら漢画系の画家とは異なるじつに様々な画家たちが雪舟を慕い、その作品に学びながら、新しい絵画世界を切り開いていった。

 一口に雪舟受容といってもそれ自体複雑な性質を孕み、多角的に把握すべきものとしている。その多様な雪舟受容を通して、「画聖」雪舟誕生の過程を明らかにすることを目指す。