EXHIBITIONS
Romantic Agony 佐宗 乃梨子 | Noriko SASO
parcelで佐宗乃梨子の個展「Romantic Agony 佐宗 乃梨子 | Noriko SASO」が開催されている。
佐宗はガラスや金属といった可塑性のある素材を用いて、身体の物質性を主題とした彫刻表現をするアーティスト。日本書紀に描かれている黄泉の国から怒りを顕に姿を表すイザナミの物語を題材とした大作《youtopia》をはじめ、神話やゾンビといった死生観に関わる架空の存在をおもなモチーフとしている。ステンドグラスの手法を用いた佐宗の彫刻には細密までこだわり抜かれたディティール、手指で造形し素材の厚みを操作することによって生み出されるガラスの繊細なゆらぎと同時に、稜線を縁取る金属の力強いラインや時に正面性の強いフォルムを取り入れ荘重さが同居している。
本展では、佐宗にとって過去最大となる個展となり、スケールのある大作を発表する。本展にて発表する大型作品は、まだ古典絵画が主流だった時代にマネが現実社会の裸婦として描いた《オランピア》と、その古典的な題材である亡骸を抱く聖母子の姿を表した「ピエタ像」から着想を得たという。
中空の薄い殻のような形状は魂の器としての肉体の物質性を顕にするとともに、佐宗はガラスの透過性を活かして作品の内に光を取り入れることで、彫刻の持つ物理的な量感、素材の鈍重な質量を解放している。抽象的な存在に抱えられている女性は身体に蛆が湧きながらも視線はしっかりとこちらをとらえ、薄闇のなかに鮮やかで幻想的な光を纏い、不思議な存在感を放っている。ロマンチックで幻想的でありながらも、力強さに溢れた作品となっている。
佐宗はガラスや金属といった可塑性のある素材を用いて、身体の物質性を主題とした彫刻表現をするアーティスト。日本書紀に描かれている黄泉の国から怒りを顕に姿を表すイザナミの物語を題材とした大作《youtopia》をはじめ、神話やゾンビといった死生観に関わる架空の存在をおもなモチーフとしている。ステンドグラスの手法を用いた佐宗の彫刻には細密までこだわり抜かれたディティール、手指で造形し素材の厚みを操作することによって生み出されるガラスの繊細なゆらぎと同時に、稜線を縁取る金属の力強いラインや時に正面性の強いフォルムを取り入れ荘重さが同居している。
本展では、佐宗にとって過去最大となる個展となり、スケールのある大作を発表する。本展にて発表する大型作品は、まだ古典絵画が主流だった時代にマネが現実社会の裸婦として描いた《オランピア》と、その古典的な題材である亡骸を抱く聖母子の姿を表した「ピエタ像」から着想を得たという。
中空の薄い殻のような形状は魂の器としての肉体の物質性を顕にするとともに、佐宗はガラスの透過性を活かして作品の内に光を取り入れることで、彫刻の持つ物理的な量感、素材の鈍重な質量を解放している。抽象的な存在に抱えられている女性は身体に蛆が湧きながらも視線はしっかりとこちらをとらえ、薄闇のなかに鮮やかで幻想的な光を纏い、不思議な存在感を放っている。ロマンチックで幻想的でありながらも、力強さに溢れた作品となっている。