EXHIBITIONS

ヘレンド展

― 皇妃エリザベートが愛したハンガリーの名窯 ―

色絵金彩「皇帝」文コーヒーセット 1860年頃 ブダペスト国立工芸美術館蔵

色絵金彩「皇帝」文コーヒーセット 1860年頃 ブダペスト国立工芸美術館蔵

色絵金彩「ゲデレー」文ティーセット 1875年頃 ブダペスト国立工芸美術館蔵

 かつての皇妃・エリザベートに愛され、今日に至るまで高い評価を得るハンガリーの名窯、ヘレンドの歴史を紹介する展覧会が開催される。

 ブダペストから南西に約110キロを隔てた静かな村にある磁器製作所・ヘレンドは1826年に創設され、ハプスブルク家の保護によって発展、各国の王侯貴族に愛好された。オーストリア帝室・ハンガリー王室御用達であったヘレンドは、19世紀後半に開催された万国博覧会へ積極的に出品。万博での好評は、大英帝国のヴィクトリア女王からのディナーセットの発注や、フランスのナポレオン三世妃ウージェニーの買い上げなどにつながり、名声を高めることとなった。

 本展では、開窯初期の希少な逸品からバロックやロココといった伝統的な様式を踏襲した名品、加えて中国や日本の陶磁器に学んだ東洋風の作品群、 現代の製品までおよそ150件、約230点(会期中の入れ替えあり)が一堂に集結。ヘレンド190年あまりの歴史と、優雅で華やかな磁器の魅力を堪能できるだろう。