ウマー・ラシッド

　Blum & Poeで、ウマー・ラシッドによる日本初の個展が開催されている。

　ラシッドはロサンゼルスを拠点として活動しており、絵画、ドローイング、彫刻を通して、17年以上にわたりフレングリッシュ帝国（1648〜1880）と名付けた壮大な歴史的フィクションを記録した作品を制作している。その作品群は、通念的な過去の描写を批判すると同時に、歴史上のある瞬間に存在する、無視され、隠された事象への関心や再考を示唆する誇張的なカウンターナラティブを提起している。

　ラシッドによる視覚的叙事詩とも呼べる本展で紹介される最新作は、米国MoMA PS1 で開催された個展「Ancien Regime Change 4, 5, and 6」の続編としての位置づけとなる。ラシッドの生み出す物語は、東アジアの18 世紀後半から19 世紀初頭へとつながっていく。