EXHIBITIONS

交わるいと 「あいだ」をひらく術として

2017.12.22 - 2018.03.04

関島寿子 容と線 Ⅵ 2008 作家蔵 撮影=桜井ただひさ

野間口圭介 (nui project) シャツ 2004-06 しょうぶ学園蔵

平野薫 untitled -red NIKE- 2009 高橋コレクション Photo by Felix Weinold, tim|State Textile and Industry Museum Augsburg

関島寿子 容と線 Ⅵ 2008 作家蔵 撮影=桜井ただひさ

 伝統工芸から現代美術、デザインまで多岐にわたるジャンルのうち、糸や布、繊維を素材に制作を続ける15人と1組のアーティストたちによる営みを紹介する特別展が開催される。

 布は、糸と糸の交わり方やすき間の形状によって布たる所以が生まれ、その性質や表情がつくられる。精神病理学者の第一人者であり、臨床哲学の先駆者でもある木村敏の言葉から「あいだ」をキーワードとして、自己と他者、自己と自己などの関係にその形状をおし広げる。糸や布と向き合うことで、自己や人の生のあり方を深く見つめようと試みる。

 参加作家はヌイ・プロジェクトや平野薫など16組。タイトルの「いと」は素材としての「糸」を意味すると同時に、作り手たちの「意図」を表す。作家の織りなす糸の世界に注目したい。