EXHIBITIONS

瞳に映るファンファーレ 浜口陽三の銅版画と川瀬巴水をはじめとした新版画

浜口陽三 さくらんぼと青い鉢 1976

浜口陽三 朱色の蝶 1979

川瀬巴水 奥入瀬之秋 1933

 ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクションは、企画展「瞳に映るファンファーレ 浜口陽三の銅版画と川瀬巴水をはじめとした新版画」を開催している。

 浜口陽三は20世紀を代表する銅版画家のひとり。銅版画の技法・カラーメゾチントを開拓し、世界的に活躍した。本展では浜口陽三の銅版画とともに、同館の収蔵品から川瀬巴水ら風景を中心とした新版画を紹介する。

「新版画」とは、浮世絵の伝統を汲みつつ、近代日本の絵画の美意識を盛り込み、明治大正、昭和初期まで発展した木版画のこと。絵師、彫師、摺師の分業によって制作された、当時の「新しい版画」だった。

 描き、彫り、刷ることでつくられる銅版画と木版画。本展では、浜口陽三の作品約30点および新版画30点(うち川瀬巴水の作品13点)を展示。新版画については、ひとつのコレクターの目を通して収集された、鏑木清方門下を中心とした画家の手による、静かで気品あふれる作品が並ぶ。

 また会場では小企画として、展示作品を題材とした若き詩人たちによる詩も公開している。