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EXHIBITIONS

趙根在写真展 地底の闇、地上の光 ― 炭鉱、朝鮮人、ハンセン病 ―

2023.02.04 - 04.09

撮影=趙根在

撮影=趙根在

撮影=趙根在

 原爆の図 丸木美術館では、「趙根在写真展 地底の闇、地上の光 ― 炭鉱、朝鮮人、ハンセン病 ―」が開催される。

 趙根在(チョウ・グンジェ、日本名:村井金一、1933~1997)は、1960年代から80年代にかけて、国内各地のハンセン病療養所を訪ねた写真家。隔離政策によって収容された入所者、とりわけ在日朝鮮人に焦点を当てながら、病や民族の複層的な差別のなかで生き続ける人間存在に迫る写真を撮り続けた。

 愛知県知多郡大府町(現・大府市)に生まれ、若くして炭鉱夫として働いていた趙。その後は、在日朝鮮人の舞踏団の照明係となって全国公演に帯同し、旅の途中で熊本県の国立療養所菊池恵楓園を訪れたことを機に、ハンセン病に関心を寄せるようになった。

 東京の国立療養所多磨全生園を訪ねて在日朝鮮人の入所者に出会ったのは1961年の初夏のこと。趙は「人間同士として向きあえ語りあえる写真」を撮りたいと、以来約20年間、北は青森の松丘保養園から南は鹿児島の星塚敬愛園まで各地の療養所に足を運び、生前に2万点におよぶ写真を撮影した。82年にはハンセン病患者で詩人の谺雄二(こだま・ゆうじ)との共作『ライは長い旅だから』が社会的にも大きな反響を呼んだ。

 国立ハンセン病資料館の協力を得て開催される本展では、患者や回復者と分け隔てなく接した趙の多様な仕事を、未公開を含めた約180点の写真などを通して紹介する。