EXHIBITIONS

Hogalee 個展「Entanglement」

2022.12.10 - 2023.01.21

Hogalee Entanglement - Spin 2022
© Hogalee Courtesy of KANA KAWANISHI GALLERY

 KANA KAWANISHI GALLERYで、Hogalee(ホガリー)の個展「Entanglement」が開催される。

 Hogaleeは1975年神奈川県生まれ。1999年東京藝術大学美術学部デザイン科卒業、2001年同大学大学院美術研究科デザイン専攻修士課程修了。現代を映す鏡としてマンガ描写の線画で記号化した「girl」をモチーフにキャンバス作品を描き続けている。またタブローの枠を超えた支持体として、アクリルペイントやマスキングテープ自体で壁画制作を行うなど、ジャンルやメディウムを縦横無尽に越えながら、ひとつのモチーフを繰り返し描く姿勢を貫くことで、唯一無二の存在感を放つ。

 KANA KAWANISHI GALLERYでの初個展となる本展では、2022年のノーベル物理学賞を受賞した研究テーマとしても近年注目されている「量子もつれ」と、2022年10月以降のアートニュースの時事に着眼点を置く。

「量子もつれ」とは、距離の遠さに関係なく、1対の量子のいっぽうの状態が確定すると他方の量子状態も確定する現象のこと。アインシュタインが生前に「不気味な遠隔操作」と表現したことでも知られるこの不思議な物理現象を参照しつつ、今回Hogaleeは、KANA KAWANISHI GALLERY(清澄白河)の展示と新宿三丁目交差点(新宿伊勢丹前)のビル壁画を、同会期に同じモチーフを描くことで、新たな鑑賞体験に導こうと試みる。

 また今回は、ロンドン・ナショナル・ギャラリーで環境活動家2名がゴッホの《ひまわり》にトマトスープを投げつけて逮捕された事件(2022年10月14日)や、クロード・モネ《積みわら》がマッシュポテトを投げつけられた事件(2022年10月23日)、ピエト・モンドリアン《ニューヨークシティI 》が75年以上にわたって上下逆さまに展示されていた可能性をBBCが報じたニュース(2022年10月28日)など、近年のアートニュース時事を作品に取り込む。