EXHIBITIONS
谷原菜摘子展「ごらん、世界は美しい」
MEMでは、谷原菜摘子の個展「ごらん、世界は美しい」が開催。新作の油彩7点と関連ドローイングを展示する。
谷原は1989年埼玉県生まれ。初期作のおびただしい装飾や小物で埋められていた二次元的な画面から徐々に作風を変化させ、近年では美術史、サブカルチャーや現代の風俗を取り込むことで、絵画空間に広がりを見せている。
また谷原は最近、国文学研究資料館主宰の「ないじぇる芸術共創ラボ」のアーティスト・イン・レジデンスに招待されることで、日本の古典籍をひも解く機会ができ、それが作品に新たな要素を加えた。本展では、不可思議な事象と現実、歴史上の出来事や人物が強烈に混ざり合った作品群が展示される。
タイトル「ごらん、世界は美しい」は、谷原独自の美学を込めたもの。光を吸収し反射の無いベルベットの漆黒に、鮮やかな色彩の絵具とグリッターやスパンコールといった偏光素材を用いることで、「自身の負の記憶と人間の闇とが混淆した美」を表現してきた谷原だが、その作品に描かれている深い森や路地裏、夜の海や、黄昏時の畑、どこか寂しさや儚さを漂わせる場所は美しくもあり、不穏で陰惨な予感を抱かせる。どんなに恐ろしい場所であっても、そのなかで光る美に目を奪われた瞬間、想像と現実が交錯し、作品が誕生する。
また今回初めての試みである三連画も展示。これは西洋の教会の祭壇画から着想を得て、谷原の物語世界を続き絵で展開し、豪華な金箔を張り込んだ額に収納した作品だ。祭壇画を思わせる宗教的な仕立てと不条理な暗黒絵図の組み合わせとなっている。
谷原は1989年埼玉県生まれ。初期作のおびただしい装飾や小物で埋められていた二次元的な画面から徐々に作風を変化させ、近年では美術史、サブカルチャーや現代の風俗を取り込むことで、絵画空間に広がりを見せている。
また谷原は最近、国文学研究資料館主宰の「ないじぇる芸術共創ラボ」のアーティスト・イン・レジデンスに招待されることで、日本の古典籍をひも解く機会ができ、それが作品に新たな要素を加えた。本展では、不可思議な事象と現実、歴史上の出来事や人物が強烈に混ざり合った作品群が展示される。
タイトル「ごらん、世界は美しい」は、谷原独自の美学を込めたもの。光を吸収し反射の無いベルベットの漆黒に、鮮やかな色彩の絵具とグリッターやスパンコールといった偏光素材を用いることで、「自身の負の記憶と人間の闇とが混淆した美」を表現してきた谷原だが、その作品に描かれている深い森や路地裏、夜の海や、黄昏時の畑、どこか寂しさや儚さを漂わせる場所は美しくもあり、不穏で陰惨な予感を抱かせる。どんなに恐ろしい場所であっても、そのなかで光る美に目を奪われた瞬間、想像と現実が交錯し、作品が誕生する。
また今回初めての試みである三連画も展示。これは西洋の教会の祭壇画から着想を得て、谷原の物語世界を続き絵で展開し、豪華な金箔を張り込んだ額に収納した作品だ。祭壇画を思わせる宗教的な仕立てと不条理な暗黒絵図の組み合わせとなっている。