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EXHIBITIONS

ナンシー・ホルト

2022.11.24 - 12.24

ナンシー・ホルト Points of View 1974
© Holt/Smithson Foundation, Licensed by VAGA at ARS, New York, courtesy Sprüth Magers

 TARO NASUは、ランド・アートの旗手のひとり、ナンシー・ホルトの個展を開催している。

 ホルトは1938年アメリカ・マサチューセッツ州生まれ。ランド・アートの代表的なアーティストであると同時に、サイトスペシフィックなインスタレーションや映像作品を世に送り出した、革新的存在としても知られる。

 活動初期にあたる1960年代、ホルトはコンクリート・ポエトリーや、「フォトグラフィング・トリップ」と称した撮影を通じて、言語と場所の交差点という、活動全期を通じて何度も取り上げる重要なコンセプトを探求している。

 今回の展示では、視覚や場所、システム、環境、地形などのテーマを内包する重要な初期作品ととも、ニューヨークのダウンタウンのアートシーンとホルトの関係性を象徴した映像作品を紹介する。

 4台のモニターを使った映像インスタレーション《Points of View》(1974)は、観察とコミュニケーションにおける主観性と可謬性を浮き彫りにする、ホルトの実験的な試みを象徴する作品だ。作中、窓から見える景色について語り合う4組の対話者は、美術批評家のルーシー・リパードとアーティストのリチャード・セラ(北)、映像作家のリザ・ベアと美術史家のクラウス・ケルテス(南)、彫刻家のカール・アンドレと画家志望のルース・クリグマン(東)、画家のブルース・ボイスとアーティストのティナ・ジルアード(西)である。

 展示空間の中央には、東西南北に位置するギャラリーの丸窓に方向を揃えて、モニターには四方の窓それぞれから見えるロウアー・マンハッタンの景色が、ホルトの友人たちの対話を録音したサウンドトラックとともに映し出されており、モニターごとに異なるサウンドトラックは、言葉と概念の両面で、対話者のものの見方の違いを表現している。