EXHIBITIONS

上野アーティストプロジェクト2022

「美をつむぐ源氏物語―めぐり逢ひける えには深しな―」

渡邊裕公 千年之恋〜源氏物語〜 2016 作家蔵

「上野アーティストプロジェクト」は、「公募展のふるさと」とも称される東京都美術館の歴史の継承と未来への発展を図るために、2017年より開始したシリーズだ。その第6弾となる本展は、「源氏物語」をテーマに開催される。

 平安時代中期に紫式部が執筆した『源氏物語』。長い間広く親しまれてきたなかで、美術工芸や芸能などにも広く影響をもたらし、時代や文化を超えて人々を魅了してきた。

 本展では、『源氏物語』が持つ多様性をもとに、書、ガラス工芸、染色、絵画など7名の多彩なジャンルの作家を紹介する。出品作家は、青木寿恵、石踊達哉、高木厚人、鷹野理芳、玉田恭子、守屋多々志、渡邊裕公(50音順)。

 副題「めぐり逢ひける えには深しな―」は、『源氏物語』第14帖「澪標」のなかで、光源氏が明石の君に宛てた「みをつくし 恋ふるしるしに ここまでも めぐり逢ひける えには深しな」という和歌から取られた。「えに(縁)」を詠った恋文にあやかり、本展が人や社会とのつながり方が変化しているコロナ禍において、私たちの生活を見つめ直す機会になればとしている。