EXHIBITIONS

アン・イーストマン「Mountain Passage」

2022.09.10 - 10.08

アン・イーストマン「Mountain Passage」(ANOMALY、東京、2022)展示風景 撮影=三嶋一路 Courtesy of ANOMALY

アン・イーストマン「Mountain Passage」(ANOMALY、東京、2022)展示風景 撮影=三嶋一路 Courtesy of ANOMALY

アン・イーストマン「Mountain Passage」(ANOMALY、東京、2022)展示風景 撮影=三嶋一路 Courtesy of ANOMALY

アン・イーストマン「Mountain Passage」(ANOMALY、東京、2022)展示風景 撮影=三嶋一路 Courtesy of ANOMALY

 ANOMALYでは、アン・イーストマンによる個展「Mountain Passage」が開催中。MISAKO & ROSENのローゼン・ジェフリーとローゼン美沙子、XYZ collectiveのコブラによる企画「温泉大作戦 2022」の一環として、The Green Gallery(アメリカ・ミルウォーキー)をゲストギャラリーに迎えて行われる。

 イーストマンは1973年米国・サンフランシスコ生まれ。バークレー、シンガポール、東京で育ち、現在はニューヨーク・ブルックリンと栃木県日光市を拠点に活動している。

 スミス大学で文化人類学を学んだのち、イェール大学で彫刻科の美術学修士を取得。映像、彫刻、コラージュ、アッサンブラージュなど、様々なメディアを用いて作品を制作、ニューヨークをはじめ国際的に作品を発表してきた。2015年より家族が所有する日光のトレッドソン別邸とその周辺を拠点に活動。アーティストや文筆家のためのレジデンスプログラムや、てつおのガレージでの展覧会を企画・開催する。

 作家は本展「Mountain Passage」について、次のステイトメントを出している。

「2つの大陸プレートがぶつかり合うと山脈が形成される。どちら側にも取り込まれず、互いに押し合いながら、くしゃくしゃになり、折り重なる。風景の中の恒久的なモニュメントとして私たちが見ているものは、実際にはつかの間のものであり、絶えず流動的で、引き裂かれ、粉砕されている。このプロセスが山峡、谷間、山脈を抜ける曲がりくねった道を作り出す。
新聞は前日のニュースを配信する。1日だけ役立つことを意図されていながらも、物理的な紙は24時間サイクルのメディアをはるかに凌ぐ用途を備えている。もうじき(大部分はすでに)デジタル版に完全に置き換わっていくだろう。

作品に使用されている新聞の切れ端は、引き出しの中敷、装飾品の周り、クローゼットのブーツの下など、トレッドソン邸の思いも寄らない場所で発見された。なかには約50年前のものまであった。黄ばんだ薄い紙のありふれた広告欄から歴史的な出来事や大異変のニュースが滲み出す。過去の断片が砕けて現在になる。それは現在を明らかにするためにすり減った地形的な頂、あるいは、個人的なものや歴史的なものを崩壊させながら、時代間の形而上学的空間を横断する通路なのだ(アン・イーストマン)」。