EXHIBITIONS

キーラン・ブレナン・ヒントン「Ordinary Light」

キーラン・ブレナン・ヒントン Sunday Chores 2022

キーラン・ブレナン・ヒントン Afternoon Bath 2022

キーラン・ブレナン・ヒントン February Interior 2022

キーラン・ブレナン・ヒントン Midnight 2022

キーラン・ブレナン・ヒントン January Storm 2022

 MAKI Galleryは、カナダ人作家、キーラン・ブレナン・ヒントンのアジア初個展「Ordinary Light」を天王洲 Iのギャラリースペースで開催する。

 ブレナン・ヒントンは、1992年オンタリオ州トロント生まれ。2014年にプラット・インスティテュートで美術学士号を取得後、16年にイェール大学にて美術学修士号を取得した。その芸術的実践は、慎み深く穏やかな視点での観察を追求すると同時に、家庭内の親密さの投影や、野外で作品を描く戸外制作の規律、そして内面性といったペインティングの制作プロセスに主な焦点を当てている。

 限定的な色数から始まるブレナン・ヒントンの絵画では、作家の日々の暮らしのなかに佇むあらゆる色が、光の温度や影の彩度を繊細に整えられ混ぜ合わせられる。日常に美しさを見出すという点で、作家が心を奪われるままに主題として切り取る瞬間は、私的でありながらも特定の美術史のレファレンスに深い類似性を持つことが多く見受けられるが、ブレナン・ヒントンの作品は美術教育で学んできた直線的な遠近法や技術的な正確性を優先するのではなく、作家自身のありのままの感性に基づいている。

 本展は、作家のキャリアの極めて重要な時期での開催になるという。今作は、自身の日常に寄り添うようにして、季節や一日の時間のなかで移り変わる光の質感を、18枚のペインティングで表現。シャワーカーテン越しに差し込む光の効果、真夜中の窓を彩る光、そして夕暮れの空の鮮やかな青など、それぞれの絵のなかで日々起こる光の現象を追った作品が並ぶ。