EXHIBITIONS

八木マリヨ・八木夕菜「地殻を辿る」

八木マリヨ 《鉄の惑星―東経110度 北緯50度地点 2022年》《鉄の惑星-―東経110度 北緯50度地点 2000万年後》(ともに2022)

八木マリヨ 地球惑星の皮膚 2012 ポーラミュージアムアネックス インスタレーション

八木マリヨ 大地母神の邂逅 2020 ポーラ美術館遊歩道入口 常設作品 撮影=八木夕菜

八木夕菜 surface #1 2022

八木夕菜 patterns 2020-22

八木夕菜 種覚ゆ 2022 © Takeshi Asano-KYOTOGRAPHIE 2021

 八木マリヨと八木夕菜による2人展「地殻を辿る」がポーラ ミュージアム アネックスで開催。ゲスト・キュレーターに、黒澤浩美(金沢21世紀美術館チーフ・キュレーター)を迎える。

 八木マリヨは、地殻から生まれる巨大なエネルギーの流れを掴み取り、人間存在が環境とひとつになるような造形を探究してきた環境芸術家。「縄ロジイ」シリーズは、縄の撚りが多様な生命の拠り合わせを示唆した、八木の代表作として知られている。

 いっぽう現代美術家の八木夕菜は、生命の営みの儚さや豊かさを紡ぐ「種覚ゆ」のシリーズや、時間の流れや光の軌跡を可視化した写真作品など、優れた視点で自然と対峙する表現に取り組んできた。

 本展で八木マリヨは、地球の創生に関わる鉄を材に選び、地球生命と人間の未來の道筋を探究する新作を発表。八木夕菜は地面を敷き写すシリーズを展示し、最新作は悠久の時を経た地球の表情の現在形を思わせる。

「地殻を辿る」と題された今回の展覧会は、2人の作品の相乗によって、大いなるエネルギーの生まれるコスモロジーの空間を都市のなかに創出する展覧会になるという。

 本展のキュレーションを手がける黒澤浩美は、水戸芸術館現代美術ギャラリー、草月美術館を経て現在に至る。金沢21世紀美術館の設立に参加し、建築、コミッションワーク、コレクション構築に携わってきた。2004年の開館以来、オラファー・エリアソン、フィオナ・タン、ジャネット・カーディフ、ジョージ・ビュレス・ミラー、マーク・マンダース、ミハエル・ボレマンスなど現代作家の展覧会を担当している。