EXHIBITIONS

中井川由季「そして地中へ」

中井川由季 したたる速度を測る 2020

 中井川由季の個展「そして地中へ」がギャルリー東京ユマニテ bisで開催される。

 中井川は1960年茨城県生まれ。多摩美術大学大学院を修了後、80年代から陶を素材に立体作品の制作を試み、国内外の展覧会で発表してきた。作品は多くの美術館にコレクションされ、コミッションワークも手がけている。

 土を捏ね、焼き上げて生成される陶は古来、用の美として器などで使われてきたが、中井川はその身近な素材でいくつものパーツを組み合わせて大規模な作品をつくり上げるという手法を用いてきた。近年とくに取り組んでいるのが、少しずつ表情が異なるいくつかのかたちを並べる、あるいは積み重ねることで構成した作品で、小さな固まりが持つ集合体はまるで命を宿した生き物のように不思議な存在感に満ちている。

 今回は、野外展示のために制作された高さ3.2メートルの作品を発表。ひんやりと滴り落ちる水をイメージした大作が、ギャラリーの地下空間に展示される。