EXHIBITIONS

津田 直+原 摩利彦

トライノアシオト―海の波は石となり、丘に眠る

2022.08.27 - 10.30

天神山古墳(太田市)でフィールドワークを行う津田直(右)と原摩利彦(左)

Image from the series TORAINOASHIOTO
© Nao Tsuda + Marihiko Hara

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© Nao Tsuda + Marihiko Hara

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© Nao Tsuda + Marihiko Hara

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 太田市美術館・図書館で展覧会「津田 直+原 摩利彦 トライノアシオト ―海の波は石となり、丘に眠る」が開催。写真家・津田直と音楽家・原摩利彦が、群馬に現存する古墳を中心にフィールドワークし、共同制作したインスタレーション作品を展示する。

 およそ1万4000基という古墳築造数を有する群馬県。森となって風景に溶け込んでしまっているものもあれば、整備保存され公園として親しまれているもの、一部または完全に消失してしまったものなど様々な状態の古墳がある。

 世界を旅し、カメラのファインダーを通して古代より綿々と続く、人と自然との関わりを翻訳し続けてきた津田直。原摩利彦は、静けさのなかの強さを軸にピアノを中心とした室内楽やフィールドレコーディング、電子音を用いた音響作品を制作してきた。

 2人は群馬でのフィールドワークにおいて、海を越えて伝え残された歴史にふれながら、外部から内部へ、明から暗へと、構造的に古墳にアプローチし、巨視的かつ微視的な考察を行った。そこから見えないものの領域、古人たちの世界観や時間意識をもとらえようと試みた。

 本展では、2人のフィールドワークの成果を、写真や音/音楽などの手法を用いたインスタレーション作品として表現する。古代の時といまが緩やかにつながっていることを示す両者の作品を通して、本展が、私たちの日常に存在する古墳と出会い直すきっかけになればとしている。