EXHIBITIONS

石井友人「地へ、地の上空へ、水晶宮の内へ、外へ」

2022.08.27 - 10.01

石井友人 Sub Anaglyph (chefrera) Sub Anaglyph (chefrera) 2021

石井友人 Sub Anaglyph(monstera) Sub Anaglyph(monstera) 2022

石井友人 Sub Anaglyph (areca palm) Sub Anaglyph (areca palm) 2022

 東京画廊+BTAPでは、石井友人の個展「地へ、地の上空へ、水晶宮の内へ、外へ」が開催される。石井にとって同ギャラリーでの初個展となる本展では、「Sub Anaglyph」と題したシリーズより新作5点を展示する。

 石井友人は1981年東京生まれ。2006年武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コース修了。既存のイメージもとに絵画を制作し、情報の受容装置としての視覚を問題化した作品を提示してきた。

 今回発表する「Sub Anaglyph」は、3Dアナグリフのように青と赤の二色で構成された作品。キャンバスには観葉植物のある風景が描かれ、さらにUVプリンターで出力した天地反転したイメージが、その上に吹き付けられている。画面上には植木鉢をおしつけたエンボスが施されており、植物の接地面とそれを介した垂直性が示唆される。

 本シリーズは、大型商業ビルの窓際に置かれた観葉植物を、ビルの内側・外側から撮影した写真をもとに制作された。対象物がガラスの反射像と透過像に分割されて提示されることで、「見る」という行為は水平方向に意識化され、鏡像のあいだの関係としてとらえ直すことができる。

 そして画面上で提示された垂直性と水平性は、人間の視覚認識や重力による身体感覚と結びつきながらも、天地反転という画面上の構造とその作用により転倒し、解体されることになる。