EXHIBITIONS

開館15周年記念 800年遠忌記念特別展

運慶 鎌倉幕府と三浦一族

2022.07.06 - 09.04

卯神像(十二神将像のうち) 鎌倉時代 曹源寺蔵 国指定重要文化財

運慶作 毘沙門天立像(部分) 1189 浄楽寺蔵 国指定重要文化財

三浦義明坐像 鎌倉時代後期 満昌寺蔵 国指定重要文化財 ※展示期間:7月31日まで

観音菩薩立像 鎌倉時代 岩戸山満願寺蔵 国指定重要文化財

 横須賀美術館では「運慶 鎌倉幕府と三浦一族」展が開催されている。本展は、1223(貞応2)年に没した運慶の800年遠忌を記念し、横須賀美術館と神奈川県立金沢文庫が共同開催するもの。

 奈良・興福寺や、東大寺での造仏が広く知られる仏師・運慶は、鎌倉時代の東国(関東地方)での仏教彫刻の展開においても、見逃すことのできない存在だ。運慶は、鎌倉幕府という新政権と密接に結びつき、北条氏からの信頼を背景に東国での活躍の場を得ていた。鎌倉幕府初代侍所別当に任命された武将・和田義盛の発願による浄楽寺の諸像(1189)をはじめ、三浦一族の造仏にも関与していた。

 平安時代末から鎌倉時代にかけての横須賀・三浦半島は領有していた三浦一族は、和田義盛をはじめとする優秀な人材を輩出するなど影響力をもち、現在も横須賀市内には、三浦氏とのゆかりを伝える寺院が多く残っている。

 本展では、運慶および運慶工房が手がけたと見られる仏像を中心に、前後する時代の仏像や書跡など約50点の文化財が揃う。

 なかでも見どころとなるのは、浄楽寺に安置されている運慶の数ない真作のうちの2駆、《毘沙門天立像(びしゃもんてんりゅうぞう)》と《不動明王立像(ふどうみょうおうりゅうぞう)》の展示だ。また、横須賀市内の貴重な文化財である仏像約20駆が初めて一堂に会すほか、三浦半島の衣笠城址からの出土品や書跡、24年ぶりに揃って戻ってくる《十二神将像》など、中世横須賀の栄華をしのばせる貴重な遺品の里帰りが実現する。