EXHIBITIONS

布施琳太郎+小泉明郎「Bodies」

2022.07.23 - 07.31

キービジュアル

 歌舞伎町のアートギャラリー「デカメロン」で、布施琳太郎と小泉明郎による展覧会「Bodies」が開催されている。本展は、世代の異なる2人のアーティストが、それぞれの学生時代に制作した作品を中心に展示するもの。本展協力は、SNOW Contemporary、無人島プロダクション。

 小泉は1976年生まれ。国際基督教大学を卒業後、ロンドンのチェルシー・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザインで映像を学び、2005年からはオランダ・アムステルダムのライクスアカデミーに滞在。天皇制や戦争、徴兵などの現在の国家の枠組みを考える上で避けることのできない題材を、映像やVR、絵画を通じて問い直し続けてきた。

 これまでの主な個展に「MAMプロジェクト 009:小泉明郎」(森美術館、東京、2009)、「Project Series 99: Meiro Koizumi」(ニューヨーク近代美術館、2013)、「捕われた声は静寂の夢を見る」(アーツ前橋、群馬、2015)、「帝国は今日も歌う」(VACANT、東京、2017)などがある。

 布施は1994年生まれ。東京藝術大学在学中からギャラリー、廃工場、インターネットなどを舞台に作品展示や展覧会のキュレーションを多数手がけてきた。2019年には『美術手帖』の「第16回芸術評論募集」で論考『新しい孤独』が佳作入選し、執筆活動を開始。『ユリイカ』『現代詩手帖』『文學界』『美術手帖』などにエッセイ、詩、批評ほかを寄稿している。

 また2020年の緊急事態宣言下の日本で、一人ずつしかアクセスできないウェブページを会場とした展覧会「隔離式濃厚接触室」を企画。2022年には新宿区内の製本工場跡地の広大な会場を舞台とした展覧会「惑星ザムザ」をキュレーションするなど、その活動は注目され続けている。

 本展のタイトル「Bodies」は、日本語で「〜体」と表記される様々な言葉、例えば「国体(nationality / national body)」「身体(body)」「媒体(medium)」「具体(specifically / concrete)」などの交差する地点に、布施と小泉の作品があるとして、その問題意識をシンプルに指し示すことができる言葉として名づけられた。

 なお、デカメロンと同一ビルの1階コミュニティスペース「一刻」には、天皇家の肖像を題材とした小泉による絵画作品《空気 #11》(2018)も常設展示されている。