EXHIBITIONS

イメージ・メイキングを分解する

タマシュ・ヴァリツキー 二眼レフカメラ(「想像のカメラ」より) 2017/ 2018 作家蔵

 東京都写真美術館では、展覧会「イメージ・メイキングを分解する」が開催される。

 絵画、写真、映画、テレビなどの視覚表現や、脳内で見る夢や言葉にならない曖昧な印象、そして目に見えるものから心のなかに浮かんだことまで、これらは「イメージ」という語で指し示すことができ、そのようなイメージにかたちを与えることを、本展では「イメージ・メイキング(image-making)」と呼ぶ。

 科学的探究心と技術の発展により、光学を利用した「イメージ・メイキング」が飛躍的に進化している。人間の視覚を正確に再現するだけでなく、本来肉眼では見ることはできないイメージまでつくり出すことが可能になり、このことは、多くの芸術家たちに刺激を与えてきた。しかし、視覚的表現の可能性を拡げたいっぽうで、技術的なルールを課すことにもなった。

 本展では、東京都写真美術館の収蔵資料であるイメージ・メイキングのための装置や機器の展覧を通して、その一様ではない技術や原理を紹介するとともに、イメージ・メイキングの技術の仕組みや道具に注目。そして、分解したり要素を組み替えたりしながら、標準化されたイメージへの批評を加え、「イメージ・メイキング」を新たなものとして再発明してきた作家たちの作品を紹介する。