EXHIBITIONS

木原千裕展「いくつかある光の」

2022.07.26 - 08.07

© Chihiro Kihara

© Chihiro Kihara

© Chihiro Kihara

 写真家・木原千裕の個展「いくつかある光の」がEUREKAで開催されている。

 木原は1985年生まれ。独学で写真を学び、福岡を拠点に活動。たった4度だけ会った、東北の海沿いの街に暮らすある人を被写体としたシリーズ「いくつかある光の」で、第1回ふげん社写真賞(2021)グランプリを受賞した。

 木原は、2017年冬から2019年春にかけて、福岡から宮城県の石巻に暮らすその人のもとへ撮影のために赴いた。撮影された日常の光景は、飛行機や空港などの風景から始まり、小さな街にそびえる煙突、いちご畑、小高い山などを舞台に、被写体の表情がみずみずしく切り取られている。

 家族や友達という親密な関係ではない他者を写した「いくつかある光の」は、人生における無数の出会いと別れの連続なかで、自身と関わった存在を肯定し、あるがままを受け入れることができるのか、という試みでもある。

 本展の会期中には、作家自らが行う作品鑑賞ツアーや、ゲストを招いたトークイベントも実施予定。詳細はギャラリーのウェブサイトをチェックしてほしい。