EXHIBITIONS

レスリー・ヒューイット展「Index Array」

2022.07.20 - 08.20

レスリー・ヒューイット Daylight/Daylong 007 2021
Photo by Guillaume Ziccarelli Courtesy of the artist and Perrotin

レスリー・ヒューイット Daylight/Daylong 002 2021
Photo by Guillaume Ziccarelli Courtesy of the artist and Perrotin

レスリー・ヒューイット Daylight/Daylong 006 2021
Photo by Guillaume Ziccarelli Courtesy of the artist and Perrotin

Exhibition views of Leslie Hewitt "Index Array" at Perrotin Tokyo
Photo by Keizo Kioku Courtesy of the artist and Perrotin

Exhibition views of Leslie Hewitt "Index Array" at Perrotin Tokyo
Photo by Keizo Kioku Courtesy of the artist and Perrotin

Exhibition views of Leslie Hewitt "Index Array" at Perrotin Tokyo
Photo by Keizo Kioku Courtesy of the artist and Perrotin

 ペロタン東京では、レスリー・ヒューイットの個展「Index Array」を開催。ヒューイットが手がける一連の新作《Daylight/Daylong》と、床置きの薄型立体作品が展示されている。

 ヒューイットは、ニューヨークとテキサス州ヒューストンを拠点に活動する米国人アーティスト。本展で発表される《Daylight/Daylong》は、ヒューイットが2021年に参加した、テキサス州マーファのチナティ財団によるアーティスト・イン・レジデンスでのリサーチ活動をもとに、ディプティク(二連画)のかたちで構成した写真作品群だ。

 テキサス州西部位置するチナティ財団は、アーティストのドナルド・ジャッドによって設立され、340エーカーにおよぶ敷地には、厳選された少人数のアーティストによる大規模なインスタレーション作品が恒久展示・保存されている。歴史的な陸軍基地跡である同地に建つ6軒のバラック内には、ダン・フレイヴィンによる蛍光灯の立体作品が展示されており、ヒューイットはレジデンス期間中、こうしたインスタレーション作品に出会い、縦軸と横軸の論理によって構成されるダン・フレイヴィンの建築、場所、光との関係性を考察した。

 ヒューイットの新作《Daylight/Daylong》の二連画の左側は、テキサス州西部の地平線から光放つ朝日をとらえ、いっぽう右側はダン・フレイヴィンの光のインスタレーション《untitled(Marfa Project)》(1996)から得た「自身の知覚体験」を抽象化し、フレームに収めている。そして、ヒューイットが自らデザインした木箱のなかに構成されたフレームは、その異なる奥行きで視差を生み出し、各作品に特有の見え方を与えている。この三次元性は、鑑賞者に様々な側面や角度から作品に関わることを促すと同時に、作品中における光学の活用を問うものとなっている。

 ペロタン東京での展示と同時期にヒューイットは、ディア芸術財団のサテライト施設であり、ダン・フレイヴィン・アート・インスティテュート所在地のDia Bridgehampton(ニューヨーク)においても、個展を開催中だ。今回の《Daylight/Daylong》に含まれる作品は、ヒューイットがDia Bridgehamptonでの個展に向けた準備を行うなかで生み出されたものであり、20世紀の光の彫刻家であるダン・フレイヴィンの作品との展示における「前奏曲」にあたるという。