EXHIBITIONS

インドに魅せられた画家 秋野不矩と西田俊英展

2022.07.16 - 08.21

秋野 不矩《朝の祈り》1988年 浜松市秋野不矩美術館 蔵

西田俊英 水汲みのマヤ 1999 郷さくら美術館蔵

秋野不矩 廃墟Ⅱ 1989 浜松市秋野不矩美術館蔵

西田俊英 聖宿 2004 郷さくら美術館蔵

 静岡県の浜松市秋野不矩美術館で、展覧会「インドに魅せられた画家 秋野不矩と西田俊英展」が開催される。

 古今問わず、インドという国の独特な風土・文化に惹きつけられる人は少なくなく、そのなかには何度もその地を訪れてこの地の風景や人々を描いた画家たちがいる。

 秋野不矩(あきの・ふく、1908〜2001)もインドに魅了された画家のひとり。1962年インドの大学で日本画を指導する教員として1年間赴任したことをきっかけに、その後ライフワークとして訪問を繰り返し、風景や人々や動物などを描き続けた。初めての訪問は秋野が54歳のときで、2001年、93歳で没するまで十数回に渡り訪れていた。インドとの出会いは、秋野の制作に、多彩さをもたらし、雄大な風景や慎ましい庶民の暮らしや動物など様々なモチーフを独特な色彩で描き出された作品は人気を呼んだ。

 他方、1953年生まれの西田俊英は、武蔵野美術大学日本画科に在学中から、再興美術院展に初入選。以後数々の賞を受賞するなど現在活躍の作家だ。1993年に文化庁の新進芸術家海外研修員として、インドに1年間留学、インドの風土に大きな影響を受けた。その後も訪問を繰り返し、人物・動物・風景を精緻に描いた作品は、いずれも神秘的で聖なる雰囲気をたたえている。

 本展では、秋野と西田の作品を対峙させ、響きあうように展覧する。2人の視点や対象のとらえ方、描き方を見比べながら、インドに魅せられた日本画家たちの作品を堪能したい。