EXHIBITIONS

長谷川潔 1891-1980展

― 日常にひそむ神秘 ―

長谷川潔 コップに挿した枯れた野花 1950 町田市立国際版画美術館蔵

長谷川潔 アレキサンドル三世橋とフランスの飛行船 1930 町田市立国際版画美術館蔵

長谷川潔 歩める男『仮面主催洋画展覧会出品目録』 1913 町田市立国際版画美術館蔵

長谷川潔 仏訳『竹取物語』挿絵 1934(1933) 町田市立国際版画美術館蔵

長谷川潔 開かれた窓 1951 町田市立国際版画美術館蔵

長谷川潔 狐と葡萄(ラ・フォンテーヌ寓話) 1963 町田市立国際版画美術館蔵

長谷川潔 アカリョムの前の草花 1969 町田市立国際版画美術館蔵

長谷川潔 横顔 1970 町田市立国際版画美術館蔵

 町田市立国際版画美術館では、パリにて高い評価を得た銅版画家・長谷川潔を紹介する展覧会「長谷川潔 1891-1980展 ― 日常にひそむ神秘 ―」が開催される。

 長谷川潔(はせがわ・きよし、1891〜1980)は、1910年代半ばに文芸同人雑誌『仮面』の版画家として創作活動を開始し、1918年に日本を去って以来パリを拠点に活動した銅版画家。サロン・ドートンヌやフランス画家・版画家協会に所属してパリの画壇で高く評価されたほか、フランスでは文化勲章、日本では勲三等瑞宝章を授与されるなど、芸術家としての功績がたたえられている。

 本展は、同館で2018年度に開催した長谷川の展覧会をベースに、最初期の作品から1970年代の銅版画までを年代順に展示するとともに、関連作家の作品も交え、全体を約165点で構成するもの。また長谷川の挿絵本の傑作である仏訳の『竹取物語』について、挿絵頁を可能な限り多く紹介する。

 日常にひそむ神秘を描き出した作品群、深い精神性が反映された長谷川の表現世界を堪能したい。