EXHIBITIONS

とある美術館の夏休み

2022.07.16 - 09.04

展示風景より

伊藤若冲 鸚鵡図 宝暦(1751〜64) 後期〜明和期(1764〜72)頃 千葉市美術館蔵 展示期間:7月16日〜8月14日

恩地孝四郎 白亜(蘇州所見) 1940(昭和15) 千葉市美術館蔵

小川信治 ストラスブール 2015 千葉市美術館蔵

華雪 日 2021.11.11 2021 作家蔵

展示風景より

展示風景より

展示風景より

展示風景より

 千葉市美術館が展覧会「とある美術館の夏休み」を開催中。本展は、「美術館をときほぐす」「作品と出会い直す」「日常で表現する」という3つのテーマのもと、現代美術家の新作と美術館のコレクション、アート作品とプロダクトといった取り合わせによって、夏休みのような「日常と非日常のあわい」という視点から美術館という場所そのものをとらえ直す。

 参加作家・クリエイターは、中﨑透、ミヤケマイ、清水裕貴、津田道子、目[mé]、小川信治、華雪、きぐう編集室、山野英之、井口直人×岩沢兄弟、Mitosaya薬草園蒸留所、井上尚子、文化屋雑貨店、(new)service[西舘朋央+Rondade]。いま注目の現代アーティストと様々な表現者14組による、美術館を舞台にしたとっておきの「夏休み」を届ける。

 アーティスト・表現者たちとコラボレーションする所蔵作品は、伊藤若冲、田中一村、マルセル・デュシャン、杉本博司など近世から現代まで、美術館を代表する作品群。現代美術家だけでなく、編集者、デザイナー、また雑貨店といった様々な表現者たちの目を通して、コレクションや美術館、日常の表現について考え直す。

 なかでも中﨑透、ミヤケマイ、清水裕貴、津田道子の4名の現代美術家は、展示ケースや学芸員、監視員といった普段展覧会であまり意識されることのない存在を新作インスタレーションに組み込むことで、作品だけでなく美術館を取り巻く要素に目を向け、美術館という場所を見つめ直すことを試みる。

 参加作家のうち、小川信治と現代アートチーム目[mé]は、2016年と2019年にそれぞれ千葉市美術館で個展を開催している。今回、美術館に所蔵された自身の作品と再び対面し、新たなインスタレーションを制作する。

 また本展は、美術館のような場所だけでなく、日々の生活のなかでも多様な表現が生まれていることに注目。日記やコピーなど日々制作されるものに目を向けるほか、触覚や嗅覚で体験する作品も紹介する。展覧会の最後には、国内外で多くのファンを持ち、雑貨ブームを牽引した「文化屋雑貨店」が登場し、千葉市美術館のコレクションとコラボレーションした、時代を飛び越えるようなキッチュな空間で来場者を迎える。