EXHIBITIONS

「それヤレんの?」:フェムボット現象

人間レストラン
2022.07.10 - 08.05

リン・シン シスターフッドIII 2009

apexart ロゴ

 エレナ・ノックスによるキュレーション展「『それヤレんの?』:フェムボット現象」が、歌舞伎町の人間レストランとオンラインで開催される。参加アーティストは、アリソン・デ・フレン、菅実花、エレナ・ノックス、リン・シン。

 本展のキュレーションを手がけるエレナ・ノックスは、東京を拠点に活動するメディア・パフォーマンスアーティスト。近年の作品では日本製の最先端ロボットを使い、科学技術が発達した未来におけるアイデンティティや信念の役を試演するものやジェンダー、人格、非現実的な(または浮世離れした)存在感、むき出しにされた社会状況に関する新たな展望を探求している。

 今回の展覧会タイトル「『それヤレんの?』:フェムボット現象」の台詞は、新開発の女性型ロボット「フェムボット」がメディアに紹介されるたびに、インターネット上に拡散する匿名のコメントから取られた。ノックスはこの反応にこたえるべく、自身を含む女性アーティスト4人による展覧会を企画した。

 アジアを拠点として国際的に活動する4人、アリソン・デ・フレン、菅実花、リン・シン、そしてノックスは、一貫して女性型ロボットをその創作活動の主題にしてきたが、本展ではユーモアと脱構築を用い、見慣れた形象を理論的に再検証することで、「フェムボット」という現代的な現象について最新の魅力ある批評を提示する。

「女性がフェムボットについてのアートをつくる」ことをテーマにした展覧会はこれまでにない試み。ノックスは、ロボットはセクシーであるべきか、テクノロジーの未来を決定づけるものは何か、そしてこの現状を再設計するのは一体誰なのか、これらの問題に適切に取り組むためには、女性らしさの具現化を既成事実として客体化し、提示している人々が、女性自身がどう考えているのかを理解する必要があると考えている。

 なお本展は、ニューヨークのアートスペース・apexartの「国際オープンコール」によって選出されたもの。歌舞伎町の有名なロボットレストランの向かいにある人間レストランでパーティーを繰り広げ、将来における機械の性別化や性欲化について考える機会を提案する。