匿名の女性たちー私は当事者ではない

　ミャンマー⼈の⼥性9名によるグループ展「匿名の女性たちー私は当事者ではない」がArt Center Ongoingで開催されている。

　2021年2⽉1⽇の国軍のクーデターにより、国内の状況が⼀変したミャンマー。⺠衆による平和的なデモは軍隊による暴⼒によって弾圧され、子供や⼥性を含む数多くの犠牲者が出ている。

「匿名の女性たちー私は当事者ではない」は3年ほど前に始動し、公益財団法⼈ポーラ美術振興財団による助成を受けて進められてきたプロジェクトだ。ミャンマーでの展覧会開催を⽬指して、個⼈やグループ間での討論、制作に向けたリサーチなどが行われてきた。しかし2022年2月にミャンマー国内でクーデターが勃発したことで、プロジェクトそのもの、「匿名性」とは何か、根本からの⾒直しが必要となった。

　紆余曲折を経て日本での開催となった本展は、険しい⺠主化の道程を⽰すべく現在も活動を継続している表現者たちのなかから、ミャンマー⼈の⼥性アーティスト9名を「匿名」で紹介。表現の⾃由、そして「匿名性」について、私たちが「当事者」となって考える機会を設ける。

　また展示会場内では、関連作品展⽰「five minutes」を同時に実施。⽇本、ウルグアイ、タイ、ベルギー、インド、シンガポール、フィリピン、バングラデシュ、ベトナム、韓国、ドイツを拠点とする⼥性アーティストによる、「匿名性」をテーマに制作されたビデオ作品を紹介している。