EXHIBITIONS

ベッドタイム・フォー・デモクラシー

KAG(倉敷)、BUoY(東京)
2022.06.27 - 08.28, 2022.09.17 - 09.25

Series of Bedtime for Democracy © Winston Smith

After The Revolution © Leticia Agudo

Afronauts © Nuotama Bodomo

Born in Flames © Lizzie Borden

Birdcatcher in Hell © Bread & Puppet Theater

Naomi Klein Speaks at Occupy Wall Street, 10 June 2011 © Naomi Klein

Martha Rosler Reads Vogue © Martha Rosler

The Hour of Liberation Has Arrived © Heiny Srour

安保条約(The Japan-US Security Treaty) © Toshio Matsumoto

 川上幸之介研究室(倉敷芸術科学大学芸術学部)によるキュレーション展「ベッドタイム・フォー・デモクラシー(Bedtime for Democracy)」が、KAG(岡山・倉敷)とBUoY(東京・北千住)の2会場で開催される。

 アメリカのパンクロックバンド、デッドケネディーズは、アルバム『ベッドタイム・フォー・デモクラシー』のなかで、民主主義と資本主義の分かち難い共犯性を歌っている。本展会のタイトルは、ロナルド・レーガンが主演した1951年のコメディ映画『Bedtime for Bonzo』に由来したもので、歌詞にはレーガノミクスをはじめとして、新自由主義、戦争、メディアの氾濫、娯楽産業(余暇と消費)、マッチョイズム、それらへの見せかけの反抗への糾弾、そして難民やクィアへの擁護といった、周縁への配慮も示唆されている。 

 これらの観点を踏まえつつ企画された本展には、10組のアーティスト、活動家、哲学者が参加。民主主義における意思決定プロセスが問いただされる現状のなか、その声をかき消され、疎外された周縁の声を引照し、民主主義の政治的神話の綻びを暗示した作品群を取り上げる。

 また地政学的な観点から、民衆の不服従を起点とした集団の内部における権力の分散や、共有を照射した作品にも着目。新自由主義の諸原理が民主から奪い去った主権をいかにして奪還できるのか、アーティストら10組の提示から模索するとともに、民主主義をどのように抵抗の政治へと変転しえるかを作品を通して見い出す。

 参加作家はレティシア・アグド、ヌオタマ・ボドモ、リジー・ボーデン、ブレッド&パペット シアーター、ナオミ・クライン、マーサ・ロスラー、ヘイニー・スロール、松本俊夫、ウィンストン・スミス、ウェンディ・ブラウン。

 なお倉敷での会期を終えたのち、本展覧会は東京のBUoY(9月17日~25日)へ巡回する。