EXHIBITIONS

深瀬昌久「猫になった男」

PURPLE
2022.05.14 - 06.07

深瀬昌久 ベロベロ 1991 ©︎ Masahisa Fukase

 京都のギャラリーPURPLEは、深瀬昌久展「猫になった男」を開催。深瀬昌久アーカイブスのディレクターを務めるトモ・コスガがキュレーションを手がける。

 深瀬昌久(1934〜2012)は北海道中川郡美深町出身の写真家。日本大学芸術学部写真学科を卒業後、日本デザインセンターや河出書房新社などでの勤務を経て、1968年に独立。60年初期よりカメラ雑誌を中心に写真作品を多数発表した。

 74年、ニューヨーク近代美術館(MoMA)で開催された展覧会「New Japanese Photography」を皮切りに、世界各地の展覧会に多数出展。代表作に《鴉》《洋子》《家族》などがある。没後、2014年に深瀬昌久アーカイブスが設立され、同団体ディレクターを務めるトモ・コスガによるディレクションのもと、世界各地で回顧展が開催され、また写真作品集が精力的に出版されている。

 物心つく頃から晩年に至るまで、様々な猫とともに暮らした深瀬。なかでも飼い猫としてだけでなく写真のモデルとしても深瀬を支えたのが、サスケとモモエだ。

 本展では、深瀬の作品シリーズ「サスケ」(1977〜78)に「遊戯 ―A GAME―」(1983)と「ベロベロ」(1991)を接続させてふり返ることで、愛してやまなかった猫たちとの戯れから得た独自の視座を浮かび上がらせる。

 本展キュレーターのトモ・コスガは、2014年以降、深瀬の回顧展制作に携わり、深瀬の没後に刊行された写真作品集では編集や解説執筆を担ってきた。著書に『Masahisa Fukase』(赤々舎、2018)。また自身のYouTubeチャンネル「トモコスガ言葉なき対話」では写真表現の様々を日々配信中だ。