EXHIBITIONS
新里明士「translucent transformation」
Yutaka Kikutake Galleryで、新里明士の個展「translucent transformation」が開催。新里の代表的なシリーズ「光器(こうき)」の大作を発表する。
新里は1977年千葉県生まれ。2001年多治見市陶磁器意匠研究所終了。2000年代初頭より多数の国際展へ参加。日本のほか、アメリカやイタリア、ルーマニアなど海外でも高い評価を得ている。2011年にはアメリカに1年間滞在し、国内外で現代陶芸界におけるキャリアを重ねてきた。
本展で展示される「光器(こうき)」シリーズは、透光性の高い白磁に穴をあけ、穴に透明の釉薬を埋め込んで焼成した作品だ。受けた光を磁器に内包させながら、同時に作品自体が光を放つかのような印象をあたえる同作は、ろくろで成形したあとに、乾ききらないうちにすべての穴をあける必要があるため、その作業時間は丸半日以上かかることもあると作家は言う。
より光を纏うように薄く成形された器胎は、焼成の過程で耐え切れずにヒビや割れ、小さなキズを生じさせることがある。そのため、「光器」は制作工程において極めて精度の高い技術が必要となるが、新里は近年、「失敗」によって生じるキズの造形に力強さを見出し、キズを起点に新たな造形を試みる作品も手がけるようになった。20年近くつくり続けてきた「光器」シリーズのように、陶芸にまつわる歴史の継承にとどまらず、自らが確立した技法による素材へのアプローチから、器という定義を越え出ていく作家の姿勢を垣間みることができる。
制作を通して着実に技術を高めつつ、表現や思考を繰り返してきた新里による本展は、焼き物のかたちを継承しながらもより自由に創作された作品を展示する。
新里は1977年千葉県生まれ。2001年多治見市陶磁器意匠研究所終了。2000年代初頭より多数の国際展へ参加。日本のほか、アメリカやイタリア、ルーマニアなど海外でも高い評価を得ている。2011年にはアメリカに1年間滞在し、国内外で現代陶芸界におけるキャリアを重ねてきた。
本展で展示される「光器(こうき)」シリーズは、透光性の高い白磁に穴をあけ、穴に透明の釉薬を埋め込んで焼成した作品だ。受けた光を磁器に内包させながら、同時に作品自体が光を放つかのような印象をあたえる同作は、ろくろで成形したあとに、乾ききらないうちにすべての穴をあける必要があるため、その作業時間は丸半日以上かかることもあると作家は言う。
より光を纏うように薄く成形された器胎は、焼成の過程で耐え切れずにヒビや割れ、小さなキズを生じさせることがある。そのため、「光器」は制作工程において極めて精度の高い技術が必要となるが、新里は近年、「失敗」によって生じるキズの造形に力強さを見出し、キズを起点に新たな造形を試みる作品も手がけるようになった。20年近くつくり続けてきた「光器」シリーズのように、陶芸にまつわる歴史の継承にとどまらず、自らが確立した技法による素材へのアプローチから、器という定義を越え出ていく作家の姿勢を垣間みることができる。
制作を通して着実に技術を高めつつ、表現や思考を繰り返してきた新里による本展は、焼き物のかたちを継承しながらもより自由に創作された作品を展示する。