EXHIBITIONS

王露怡「花はまた咲く」

王露怡 Flower eaters 2021

王露怡 Core 2022

王露怡 Tree 2021

 バンビナートギャラリーでは、王露怡(おう・ろい)の個展「花はまた咲く」を開催している。

 王は1996年中国・杭州市生まれ。2020年に多摩美術大学絵画学科油画専攻を卒業、22年に同大学大学院美術研究科修士課程を修了し、修了制作展において辰野登恵子賞を受賞した。

 王の絵画は、画面いっぱいに大きくモチーフが描かれていることもあれば、連続する葉や茎、線などが画面全体を覆い、モチーフと組み合わさったり重なったりしていることもある。モチーフは植物であることが多く、例えば花には顔が描かれる場合もある。それは私たちのものとは別の価値観を有する世界が、絡み合いながら並行して存在していることを暗示しているようだ。

 また作品の色調は淡く、1点の作品に対する色数は少ないが、繊細な濃淡が奥行きを生み出している。連続するモチーフによって生まれる空間とも相まって境界を曖昧にしており、私たちはそこから豊かな視座を得ることができるだろう。

 本展では新作を中心に、近作を含む14点を発表。王は次のように述べている。

「私は個体と周囲の世界の曖昧な関係、切り離せない縺れなどに興味があります。自身の経験、不確かな記憶や夢に基づいており、個体とそれの頼りとして存在する世界との不可解さを表現出来ればと思います(王露怡)」。