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「不穏な過去」展に学ぶ、政治的大義に対するアートのコミットメントと個人の思いを結ぶ文化的ネットワークの重要性

映画『オッペンハイマー』がオスカーを多数獲得した。人々の虐殺を正当化する帝国主義や核戦争は、過去のことではなく現在進行形の狂気だ。私たちはそれを目の当たりにしながらも、暴力やシステムに屈しないアートの欲望をたたえ、基本的人権を求め続けられるだろうか? パレ・ド・トーキョーで開催中の「不穏な過去:美術館・亡命・連帯」展を通じて考える。

2024.3.28
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アニメーションと現代美術は横断可能なのか。新千歳空港国際アニメーション映画祭・金澤韻トークレポート

第10回新千歳空港国際アニメーション映画祭が2023年11月2日〜6日の5日間にわたり開催された。本祭に際して、現代美術キュレーターとして国内外で多数の展覧会を企画してきた金澤韻が、リサーチを重ねてきた上海美術シーンの動向も交えながら、アニメーション映画はいかにして現代美術と繋がる未来があるかを語るトークを開催。その内容をレポートする。聞き手は同映画祭の短編部門選考委員でありアーティストの岩崎宏俊が務めた。

2024.3.26
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印象派──その誕生と、世界への広がりを探る

美術史を見渡すと、それまでの描きかたや物の見方の「常識」を覆す、「革命」とも言うべき出来事が何度も起きている。そのなかでも大規模なもののひとつが、19世紀後半の「印象派」の登場だ。なぜ印象派は世界へと広まったのか。「印象派 モネからアメリカへ  ウスター美術館所蔵」に寄せ、印象派誕生以前から始まる歴史の流れをたどり、その答えを探る。

2024.3.26
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「百年後芸術祭〜環境と欲望〜内房総アートフェス」総合プロデューサー・小林武史の思考、そのダイナミズムに迫る

3月23日から千葉県の内房総5市で作品展示やライブパフォーマンスが行われる「百年後芸術祭〜環境と欲望〜内房総アートフェス」。その総合プロデューサーは、音楽家として知られる小林武史だ。「利他」のマインドで未来を想像すべく「百年後」と題したり、アンドレ・ブルトンの『通底器』を引いて内房総と東京を結びつけたりするダイナミックな思考と、それを裏付ける実践を紐解く。

2024.3.25
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閉館目前に平田オリザが語った、こまばアゴラ劇場の先駆性。「民間の小劇場としてやれることは限界までやった」

2024年5月末をもって閉館すると発表された、東京・目黒区の「こまばアゴラ劇場」。同劇場の開館から約40年にわたる歴史を、芸術総監督を務める平田オリザにインタビュー。見えてきたのは、演劇を取り巻く時代の変化と場所性、未来を見据えた挑戦の軌跡だった。

2024.3.24
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「北欧の神秘」展キュレーターに聞く、北欧絵画の見どころと魅力

3月23日に始まったSOMPO美術館「北欧の神秘」展は、本邦初となる本格的な北欧絵画展だ。北欧絵画の黄金時代とされる19世紀末~20世紀初頭の画家47名を取り上げるなど、早くから美術ファンの間で注目されてきたこの展覧会。その開催を前に、北欧絵画の魅力について、展示を担当した武笠由以子主任学芸員、古舘遼学芸員に話を聞いた。

2024.3.24
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ナン・ゴールディンとは何者か──4つのポイントから作家像にせまる

昨年の『ArtReview』によるアートシーンの影響力ランキング「Power 100」で1位を獲得したナン・ゴールディン。そのキャリアは性的マイノリティの知人らとの親密な関係性を切り取った写真から始まった。エイズ危機やオピオイド中毒といった社会問題、そしてアートを支える構造そのものを鋭く批判し続け、強い影響力を持つに至った彼女について知っておきたいことを、写真研究/美術批評の村上由鶴が解説する。

2024.3.23
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第20回

20年越しの再集結が見せてくれるものとは。学芸員・植松篤が語る「天地耕作 初源への道行き」

美術館の学芸員(キュレーター)が、自身の手がけた展覧会について語る「Curator's Voice」。第20回は、静岡県立美術館で開催中の展覧会「天地耕作 初源への道行き」(〜3月27日)をピックアップする。村上誠、村上渡、山本裕司ら3人によって行われてきた野外美術制作プロジェクトが20年ぶりに美術館という場所で再集結。そのアーカイヴや美術館裏山に登場した野外作品は、鑑賞者に何をもたらすだろうか。リサーチから企画、実現に至るまでの道のりを担当学芸員・植松篤が語る。

2024.3.23
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バンクシー最新作を現地からレポート。すでに事件発生も地元では歓迎ムード

バンクシーの新作がロンドンに出現した。3月18日に本人がインスタグラムで自身の作であることを認めて以来、ほぼすべてのイギリスの主要メディアが大きく報道。現場に大勢の人々が詰め掛けているばかりではなく、数々のトピックスも湧き上がって連日ニュースとなっている。

2024.3.21
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マーケットに見る、女性アーティスト再評価の機運

サザビーズが3月6日に開催したセールにおいて、女性作家による作品が存在感を示した。総出品数70点のうち2割となる14点を女性作家が占め、レコードを記録した作家も多い。サザビーズ・ロンドンのコンテンポラリーアート部門シニアスペシャリストであるエマ・ベーカーへの取材を通じ、女性アーティストへの再評価の機運を探る。

2024.3.21
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ウスター美術館のコレクションはいかに構築されたのか。世界初の「睡蓮」購入、そして多様性の時代へ

東京都美術館で開催中の、アメリカのウスター美術館の印象派コレクションを中心に紹介する展覧会「印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵」。世界で初めてモネの「睡蓮」を購入した美術館でもある同館は、いかにコレクションを築いてきたのか。また近年、コレクションの多様化に力を注いでいる同館は、ほかの美術館にどのような示唆を与えてくれるだろうか。マティアス・ワシェック(ジーン&マイルス・マクドナー館長)、クレア・ウィットナー(キュラトリアル部門ディレクター、兼ジェームズ・A・ウェルヨーロッパ美術キュレーター)に寄稿してもらった。*The English version is below the Japanese.

2024.3.17
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パレスチナ連帯表明で作家たちが続々と展示辞退。バービカン・アート・センターで起きていることとは?

ロンドンのバービカン・センター内のアートギャラリーで開催中の展覧会「アンラヴェル:ザ・パワー・アンド・ポリティックス・オブ・テキスタイルズ・イン・アート」が連日アートニュースを賑わせている。ガーディアン紙は満点の5つ星を付けるなど、展示内容への各メディアの評価は高いものの、バービカンがイスラエル・パレスチナ戦争関連のトークイベントへの会場提供を拒否したことへの反発として、会期中でありながらも作品の展示を取り下げるアーティストの数が徐々に増しているという異例の事態が起きているのがその理由だ。

2024.3.17
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SBIアートオークションがアートフェア東京と連携して3回目のオークションを開催。明暗の分かれた「東京のいま」を振り返る

SBIアートオークションは3月9日に東京国際フォーラムにて「Tokyo Contemporary: Redefined」セールを開催した。今年で3回目を数える、アートフェア東京と同時開催の「東京のいま」を映し出したオークションの主要な落札結果をまとめてレポートする。

2024.3.14
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「アメリカ印象派」の鑑賞が楽しくなる10の鑑賞のヒント

2024年1 月27日から東京都美術館で開催中の「アメリカ印象派」の画家を大きく取り上げた展覧会「印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵」。日本ではまだほとんど知られていない「アメリカ印象派」について掘り下げ、展覧会鑑賞の手助けになる10のヒントを紹介する。

2024.3.10