Vol.75 No.1098
2023年7月号 特集「日本のストリートとアート」
Groundbreaker
近年、バンクシーの新作が発表されるたびにニュースになるほど世間的な注目を集めるようになり、ストリート発のアーティストの作品がマーケットで高い人気を誇っています。「ストリートアート」をめぐる状況は大きく変わったように見えます。では、「ストリートアート」とは何か?と考えてみると、その定義はとたんに曖昧なものとなります。
今回の特集では、SIDE COREを監修に迎え、「ストリート」と呼ばれる場所で生まれ、育まれてきた表現や価値観を、その場所で生きてきた当事者の世界観や声を通して見ていきます。そのことで、「ストリートアート」の再定義のきっかけとなることが目指されており、「アート」の枠組みの再考をも促すものにもなるはずです。
巻頭のインタビューでは、WANTO、森田貴宏、スケシン、グレート・ザ・歌舞伎町、TOKYO ZOMBIEと、熱量の高いコミュニティやシーンを形成している方々に話を聞いています。また、ストリートカルチャーの範囲が拡大していることにあわせ、タトゥーやスケートボード、グラフィティ、メッセンジャー、パルクールなど、様々な領域のキーパーソンに登場してもらいます。また、東京だけではない全国のハブとなるショップも紹介。ストリートのアートを整理するのではなく、複雑に絡み合う路上の文化、その未知なる感性と価値観に迷い込む入り口になる特集となっています。
