ART WIKI
アルテ・ポーヴェラ
Arte Povera
1960年代末から70年代初頭にかけてイタリアで興った芸術運動。日本語で「貧しい芸術」の意味。67年、ジェノヴァのベルテスカ画廊で「アルテ・ポーヴェラ/Im空間」展が開催された際、批評家のジェルマーノ・チェラントがこの運動を命名した。「貧しい」という形容詞は演出家のイエジィ・グロトフスキ「貧しい演劇」という用語から借用されたものとされる。その後チェラントは『アルテ・ポーヴェラ―ゲリラ戦のためのノート』を国際的な美術雑誌『フラッシュ・アート』に発表、ポップ・アート、オプ・アート、プライマリー・ストラクチュアズを「豊かな芸術」として仮想敵に設定し、それに対置するものとしてアルテ・ポーヴェラの理念と方向性を位置づけた。
代表作家はミケランジェロ・ピストレット、ジュリオ・パオリーニ、ヤニス・クネリス、ジュゼッペ・ペネーノ、ピーノ・パスカーリ、マリオ・メルツなど。アルテ・ポーヴェラの作品の特徴は、鉄、廃材、石、布切れといった日常的で質素な素材のほか、石、土、植物などの自然物を未加工のまま同語反復的に提示することにあった。1969年「態度がかたちになるとき」展(クンストハレ、ベルン)への参加を通じて国際的な認知度が高まる。また、同時代の日本の「もの派」とも共通点が伺える運動である。
代表作家はミケランジェロ・ピストレット、ジュリオ・パオリーニ、ヤニス・クネリス、ジュゼッペ・ペネーノ、ピーノ・パスカーリ、マリオ・メルツなど。アルテ・ポーヴェラの作品の特徴は、鉄、廃材、石、布切れといった日常的で質素な素材のほか、石、土、植物などの自然物を未加工のまま同語反復的に提示することにあった。1969年「態度がかたちになるとき」展(クンストハレ、ベルン)への参加を通じて国際的な認知度が高まる。また、同時代の日本の「もの派」とも共通点が伺える運動である。
参考文献
『アルテ・ポーヴェラ 戦後イタリアにおける芸術・生・政治』(池野絢子、慶應義塾大学出版会、2016)
『アルテ・ポーヴェラ 貧しい芸術』(豊田市美術館、2005)
『アルテ・ポーヴェラ展』(加藤義夫、林美佐、中嶋ゆみこ編、児玉画廊、1992)