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石山未来

Ishiyama Miki

 石山未来は1998年北海道生まれ。

「わたしが絵をみているときに画面から生まれてくるものは、わたしの日常から近くも遠くもあり、心や身体の機微を縁取ってくれるような実感がある。
自分の絵の中に出てくるイメージは、自分自身の内にも外にも存在し、そこからわたしが選び、わたしが描いているという感覚がある。イメージの出発点は個人的経験であり、それはありきたりなものであり、得別なものでも、オリジナルでもない。 誰にでも等しくあるような過去や現在、それを通して生きている自分、環境やそこで経験したこと見たもの考えたこと。しかし、そこでできあがってくるイメージの輪郭を捉えようとすればするほど、自分自身が理解しようとすればするほど比類なき確信や信条があることを自覚できる。そういった信仰のようなものは 相手に伝わるものではないが、わたしの中にあるものや外にあるもので構築されたイメージを絵画を通して、描くということを通して表す。伝わった実感はあくまでも ” わたし ” の確信でしかない。確信や実感は実体のないもので、相手とわたしをつなげるのにはあまりにも弱い。しかしこれがどんなに尊くて大事なものか。通じ合うことは難しいからこそ勘違いやズレが生まれる。 それは今生きている世界で時間を持って揺れ動くものであり、時間と共にボリュームが変化し、違う世界を生み出してしまうかもしれない。しかし同時にそのズレや勘違いはそ のまま変化することなく在り続ける事もできるだろう。わかり合えなかったり自分自身がわからない状態であっても信じられるものはある。それこそがリアルなのだと思う。 そんな恐怖にも似たわくわくが常にわたしの中にあり、制作の原動力となる。わたしにとって絵画は、自分と世界とをつなげる中間地点に存在しているのかもしれない。
絵を見て、たち現れた図像や色や形に、こうするしかなかったんだと、絵と見るひとの 間でどうしようもない必然が生まれたら、わたしの目指すものになる。
(石山未来)」