ARTISTS
谷本梢
Kozue Tanimoto
谷本梢は1993年石川県生まれ。2017年金沢美術工芸大学美術工芸学部油画専攻卒業。19年同大学大学院修士課程美術工芸研究科絵画専攻油画コース修了。
「私がドローイングで描く対象は感情である。それは忘れ難い過去の記憶やその刹那的感情の昂りが影響している。毎日の生活において同じ日などなく、心の中には止めどなく感情が溢れている。しかし私たちは無意識のうちに感情を表に出すのを恐れているように思われる。それは社会の円滑な運営のためであり、自分自身のコントロールによるものもあるだろう。私は、成熟した現代社会にありながらストレスで心身共に傷つき、不安や欲求に翻弄されている現代人の状況に強い問題意識があった。抑圧された感情は、心の中で何度も反芻し受け止められ整理される。その感情を取り出して作品に昇華するとき、自分の心と手が連動し同じ脈圧が感じられる。何かの痕跡のように無秩序なドローイングは一見稚拙であり、残酷であり、そして優雅である。画面に定着した感情は、見る人の心の底に仕舞われた吐露したい感情を呼び起こし、心の代弁をする。ドローイングによる感情表現は、押し潰されそうな心の解放や癒しをもたらすことができるのではないかと考えている(谷本梢)」。
「私がドローイングで描く対象は感情である。それは忘れ難い過去の記憶やその刹那的感情の昂りが影響している。毎日の生活において同じ日などなく、心の中には止めどなく感情が溢れている。しかし私たちは無意識のうちに感情を表に出すのを恐れているように思われる。それは社会の円滑な運営のためであり、自分自身のコントロールによるものもあるだろう。私は、成熟した現代社会にありながらストレスで心身共に傷つき、不安や欲求に翻弄されている現代人の状況に強い問題意識があった。抑圧された感情は、心の中で何度も反芻し受け止められ整理される。その感情を取り出して作品に昇華するとき、自分の心と手が連動し同じ脈圧が感じられる。何かの痕跡のように無秩序なドローイングは一見稚拙であり、残酷であり、そして優雅である。画面に定着した感情は、見る人の心の底に仕舞われた吐露したい感情を呼び起こし、心の代弁をする。ドローイングによる感情表現は、押し潰されそうな心の解放や癒しをもたらすことができるのではないかと考えている(谷本梢)」。